介護士として、個人の資質が問われるのが訪問介護の仕事です。
訪問介護では、利用者に合わせて身体介護や生活援助を行いますが、その際はプライバシーを侵害しないように最大限配慮する必要があります。
特に、トイレや入浴などは恥じらいがあり、抵抗を感じることが多いため、少しでもリラックスできるように信頼関係を構築することが重要です。

利用者にとって、訪問介護は自身の生活空間に他人を招き入れることになるため、緊張は避けられません。
この点は新人もベテランも関係ないため、介護に関する知識や技能だけではなく、人同士の繋がりに重きを置いて仕事に取り組む必要があるといえます。

また、訪問介護を住宅で行う上で、施設と異なってくるのが介助する環境です。
高齢者が住まう一般家庭でバリアフリー化が進んでいるとは限らず、介助作業を前提とした作りではないケースも多々あります。
初歩的な介助作業でも、スペースが狭ければ難しくなります。

そういった家庭で訪問介護を快適に行うためには、リフォームが不可欠になってきます。
とはいえ、リフォームの可否を決めるのはあくまでも住宅に住む利用者や家族であり、介護側の人間が要求することはできません。
リフォームは手間と費用がかかる案件であるため、あからさまに要望を出すと嫌がられてしまいます。
そのため、気になる部分があった場合には、介助作業をスムーズに行うメリットを説明して、リフォームを軽く提案してみるといいでしょう。
バリアフリー化することで、より利用者の安全性が高まることをしっかり伝えることができれば、リフォームを検討してくれる人は出てくるはずです。